出猟日記2007

始めに

年月と共に野山はその容姿と趣を変え 
新たな装いで また怪しく誘う
過ぎ去った柵などは振り返る余裕さえも無く
慌ただしき毎日を送り 汗ばむ季節が何時しか
去ると又確実に齢を重ねる 目の当たりに
映す移ろいそれよりも 大きく変質しただろうは
生身の存在 己が姿に極まるのかもしれない
此れまで幾多の兵が 既に舞台の袖に引き
或は再び戻ることの無い 演者と成った
個々其々との出会い思い出は 何時しか
背負い運ぶ荷となり 無用な高まりを抑制
静かに新たな幕開けを待つ
2007年 どんな出会いが待つのだろうか。。

11月17.18日 晴れ後雨
2007年度シーズンのスタートには 事情により銃を返納した一人と そして病を患い入院中の地元古老を欠き
此処数年懸念され続けた 高齢化による人員の減少その傾向に 歯止めが掛からない 此れは猟界全般に
言える事と認識はするのだが悩みは尽きない 今後新たな加入者を集い 更に若い後継者育成にとの術を
探らねば 今後幾つかの可能性何名かが候補に上がり 今シーズンからは見習として現在銃所持申請中の
若い衆が加わる 若いグループが内部啓発を続け 組織内での牽引の一翼に育って欲しいものだ
この処水面下で論議されている極論駆除業務自衛隊導入案や 其れが難しいと成ると公務員のライフル所持
緩和駆除従事に向けての動きは気に成る処だ 政府の方針を見据え声を挙げなければ成らない時期に来たの
かもしれない? 現場を知らない人々が事を図ってもとても効果的とは思えなく 悪戯に法案だけが一人歩き
しないよう見守らなければ その論議の陰に隠れた本質も見落とさないように 
    ・この事案に関しての詳細は此処で・・

さて年々温暖化の進む環境に 山々の緑は深く 山中にての見通しは可也悪く 又ここいらでの一番有望だった
狩山は林道工事が未だ続き 連日発破作業のせいで その山塊での猟は 暫らく見通しが立たないのだろう
止む無く大谷を隔てた向山の頂きとその奥を攻めてみる  犬の追い鳴きは私の頭上で有り直ぐ其処まで降りて
来た しかし鬱蒼とした茂みに隠れ姿は確認出来ない 其の侭高いルートを横駆けすれば 見通せる場所配置の
待ち場に掛かる 其方に任せて置こう。。。。。発砲三度 その後の迷走劇への号砲と成った

11月25日
数年ぶりに登って来たルートは 10年ばかり前に雑木を伐採植林が成され 広い範囲が見渡せモノの動きへの
確認が容易な場所だった しかし地表を隠す木々が除かれ 下草雑木の勢力が増し密藪へと変化していた
反対側から伸びてくる林道の詰り(工事中) 勢子が待機する其処を左下に見て標高500〜550の位地にて
GOの合図 しかしこのだだっ広い山塊 四本の待ちで止めるには可也難しいのだろう 突然鳴きが入る!
その声から相手は猪だと判断 暫らく止めているが追跡タイプの二匹では止めきらず 藪に邪魔され引き金
落とせない勢子を嘲笑うかの様に 落ちて行く。。。其方にも一人置いてある しかし一旦谷まで落ちたかに
見えた猪は横に切れ大尾根方面へ 終に県境のその尾根を越えてしまった


麓近くに薄かったモノの姿は 解禁と同時に各所で攻めつづけられ 高い場所標高1000mを越える奥山に
引き込んだ様か姿が見えません それに遅れに遅れた林道工事も急ピッチの作業 更に別ルートの林道も
新たにのり面の工事や延長の工事開始 利用が出来ないのかも?

12月9日 一日中愚図付き気味
ハッ!と気付いた瞬間 鹿は既に背後の斜面を二度三度の跳びで駆け下って居た 谷間に横たわり朽ちるのを
待つばかりの倒木 其の下を潜り抜けんと 身体をちじめ太く伸びた角を背中に寝せるスタイル あくまで速度は
速いまま首を伸ばした一瞬を見逃さず その付け根に狙いは付けられていた。。
・・僅かばかり時間は戻る・・
おかしい?? 配置を変えた待ち 私の下段堰堤上には二度三度と 激しい犬の追い鳴きが聞こえてくる
しかし鳴らない??どうした?私の見込み違いだったか やがて二頭の犬が私の足元に寄りうろうろしだす
勢子の方向へと導き追い立てると斜面を駆け上がっていった 。。。。 再度追い鳴きが入る どうも今日の
鹿は 一気の山抜けせずに何度も回りこの山に執着してるようだ 下方で発砲一発! 成果の報告が無い
駄目だったのか?? 気配を殺し草木の一部と仮した。。。。。。。。。。バキッ! 来たか

12月16日 雨のち晴れ
ラウンド1
上の林道から入った勢子は足元で起し 犬は激しく鳴きだした わたしの真上で蛇行を繰り返し落ちて来る
良いぞ此処まで来れば障害物は何も無い一発で止めてやる しかしモノは数十m上で左に切れこの山の
麓向けて逃走し遠ざかって行った しかし其方の待ちが本命で集落辺りで囲んでいる やがて銃声三度
耳には届かなかったが その裏の最終ラインにても二度の発砲 犬のマーカー頼りに車で下りゲートを
抜けると段々強くなる受信 集落ど真ん中の神社前の川の中で抑え込んでいる(詳細は別紙2にて。。)
ラウンド2
長らく続いた林道工事もやっと済んだようで 勢子と車で入山地点に向かう そこの尾根から入る勢子と
別れ 徒歩で上に向かうモノを牽制にある地点へ 計算道理の位置で起した犬は 一気に追い立てようと
激しく鳴き込むが なんとも位地が変らない(猪なのか?)其れにしては鳴き方が鹿のそれだ? 尾根裏
登山道に出たモノは上から被せる私を避けUターンして堰堤上の待ち場にかかる